<社会を知る>立教大学野球部優勝で感じた東京六大学野球のコンテンツ力と母校愛

立教大学野球部が東京六大学野球で今世紀初の優勝、更には全日本大学選手権で半世紀ぶり(59年ぶり)の優勝を果たした

それに伴い、立教大学野球部の祝賀パレードが6月12日に行われ、JR池袋駅から立教大学池袋キャンパスまでの約1キロの沿道に、約5,000人のOB・OG、学生、教職員、地元関係者が駆けつけた。

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盛り上がるパレード

まずは、野球部の部員に「感動をありがとう」と伝えると共に、個人的に感じたことについて2点ほど記したい。

東京六大学野球のコンテンツ力
広告効果は60億円(『箱根駅伝』,生島 淳,2011)と言われているように、大学スポーツのコンテンツで言えば箱根駅伝が圧倒的な力 を持っているが、東京六大学野球のコンテンツ力も相当なものであるということに気づかされた。

関西出身の僕は、東京に出てくるまで箱根駅伝も東京六大学野球もほとんど知らなかったし、今でさえ、正直言うと 興味があまりない(なぜ東京ローカルの大会が注目されるんだ!という関西人特有のひがみも潜在的にあるのか・・)

しかしながら、関西の大学スポーツで優勝パレードをするという話しは聞いたことがないし、箱根駅伝や東京六大学野球のような大学スポーツコンテンツは他にない。

六大学野球のブランド力(100年以上の歴史)

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 希少価値(立教大学の優勝)

がなせる業なのだ。

立教野球部の優勝を通して、普段はバラバラの人生を送っている約5000人が大学に集まり一つになる。

祝賀パレードでの「学生」、「OBOG」、「教職員」、「地域」の一体感は素晴らしかった。

 

パレードでは様々な場面に遭遇した。

・「立教に入って本当によかった」と喜んでる学生がいた。

・いつも、後輩支援で協力してくださるOBの方は、「この日に合わせて退院してきた。このタイミングで見れるなんて感激だよ。こんな日がくるなんて」涙ながらに語ってくださった。

・付属中学野球部のお母さん方は「息子達も将来あの車に乗れるといいわね」と話している。

・通りすがりの若い人が「街に愛されすぎ」と呟いていた。

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行政、企業、商店街の方々、様々な人々の協力によりパレートは行われた

それを見て、僕も嬉しかったし、東京六大学野球、そして立教大学野球部は大学として絶対に大切にするべき存在だと感じた。

母校愛の力
一方で、嬉しいだけではなく、羨ましいとも感じた。

同僚には多くの立教卒がいる。特に私の部署は卒業生が多いのだが、皆の喜びぶりが半端ないのだ。

・全日本大学選手権の決勝戦を観戦した複数の同僚が号泣していた

・いつも冷静沈着、どちらかと言えば斜に構えて人と群れない若手職員が、FBで「ウエイウエイ」を連発した投稿をしている

※ウェイウェイ(『パリピ経済』,原田曜平,2016):若者が集団で騒ぐさまを、若干の自虐(もしくは軽蔑)をもって形容する擬態語

・昼休みに喜びを爆発させる職員がいる(下記写真参照)

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僕はこの職場で働いて8年、「卒業生ではない」ことに違和感を感じたことはなかった(鈍感なのか)。

むしろ8年間立教にいるんだから、4年間しかいなかった学部卒業生よりも立教愛があるとさえ思っていた。

初めて、卒業生としてこの職場で働く同僚のことを羨ましいと思った。

僕は試合を見て泣けなかったし、「ウエイウエイ」と投稿もできなかった。ましてや、あんな恥ずかしいかっこで写真は撮れない(上記写真参照)

18~22歳、青春真っ盛りの4年間を過ごした場所は特別 なのだ。青春を過ごした場所を職場にできる同僚達を心底羨ましいと思った。

何十年立教大学で働こうと、僕は卒業生と同じように立教大学を愛することはできないと思う。

 でも、

学生にとって特別な4年間に関わるものとして、立教愛ではかなわなくても、学生愛だけは負けないようにしたい。

※1枚目写真:(C)立教スポーツ